クリエイターズコラム
京都の庭と、その巡り方

初めまして。
絶賛クォーターライフクライシス中の山口です!
大人になると、自分の力ではどうにもできない悩みを抱えたり、人生について漠然とした不安を感じたりすることがありますよね。
一年間毎日頑張った大人のみなさん、たまにはちょっと静かな場所へ旅に出かけてみませんか?
一年間毎日頑張った大人のみなさん、たまにはちょっと静かな場所へ旅に出かけてみませんか?
今回のテーマはこちら!
「自分の心と真正面から向き合いたいあなたに。京都の庭と、その巡り方」
私は京都の美大で4年間学び、その間、進路や制作で迷ったときによく日本庭園を巡っていました。
観光客が多く交通手段にも限りのある京都で、代表的な庭園を効率よく回れるルートをご紹介します!
提案ルート
1 龍安寺 → 2 南禅寺 → 3 建仁寺 →4 東福寺(イチオシ!)
以下、それぞれのお寺の見どころと、その庭園に込められた意味をざっくりご紹介!
1 龍安寺(住所:京都市右京区龍安寺御陵下町 13)

見どころ:あの有名な枯山水枯山水のお庭には15個の石があって、「15」という数字は東洋で“完全”を表します。
しかしこの庭では15個すべてを一度に見ることはできない――つまり、このお庭は不完全な景色で、
人生はどれだけ努力をしても全てを見ることはできない、という意味があるとされています。
この景色を眺めることで、完璧じゃなくてもいいんだと思えるようになるかもしれません。
でも実はこの庭、「こういう意味だ」と書かれた文献はなく、見る人に解釈を委ねる作品なのです。人によって見え方が変わる余白こそ、この枯山水の真の魅力。私もいつか余韻や余白のあるデザインを作っていきたいですね。
2 南禅寺(住所:京都市左京区南禅寺福地町)
見どころ:「如心庭(にょしんてい)」――“心を整える庭”この庭は「心を整える = 風景を整える」という考えで造られたと言われていて、
静かに景色を眺めることで、自分の中の雑音が少し静まり、じんわりと自分のペースを取り戻せるような空間です。特に慌ただしく生きる現代人は、このような心を整える時間がなかなか取れていないのではないでしょうか。
庭をぼんやり眺めながら物思いに耽るだけで、仕事や人間関係にも良い影響があるかもしれません。
――もしあなたが「心を表現して」と言われたら、どんな作品を作りますか?
3 建仁寺(住所:京都市東山区大和大路通四条下る小松町)
見どころ:「○△□乃庭(まるさんかくしかくのにわ)」禅の考えでは、この世のすべては「○、△、□」という三つの形に集約でき、宇宙を表す記号とされています。ここではこの三つの形をモチーフにした庭を見ることができます。
この世界も、そして私たち自身でさえも、○△□の集合体に過ぎない。宇宙のことを考えたら、自分の悩みなんて本当にちっぽけに思えるかもしれません。
4 東福寺(住所:京都市東山区本町15丁目778)
見どころ:前衛的な市松模様の庭昭和の名作庭家、「重森三玲」の手によって作られたこの庭は、伝統的な日本庭園の概念を、伝統に敬意を払いながらも再定義した現代の禅庭。人生に置き換えるなら、それは「移り変わる自分」と「変わらない自分」の融合。年齢を重ね、環境も変化した上で、それでも揺るがない自分らしさを見つけて、表現していきたいと思う人にぴったりのお庭です。★デザイナーのかたは一度「永遠のモダン」で調べてみてください!重森三玲の作品との向き合い方がとても勉強になります…!
いかがでしたか?
京都にはここで紹介した庭園のほかにも、たくさんの美しい庭があります。もし少しでも興味がありましたら、ぜひ実際に足を運んで、自分のための静かな時間を体験してみてください。