クリエイターズコラム
御朱印とデザイン

はじめまして!デザイナーの井出です。

趣味は、競馬、お酒、釣り(海)!

ですが、今回お話しさせていただくのは、あまり人に言っていない趣味のひとつ、
「御朱印集め」です。

昨今は「御朱印ブーム」などもあり、趣味にする人も多くなった御朱印集めですが、
私が、御朱印を集めるきっかけになったのは小学生のとき、祖母のお葬式でした。

祖母の棺の中に、たくさんの綺麗な布表紙の『小さな本』が副葬品として入れられていました。
祖父に「この本なに?」と聞くと「ばぁばが集めていた御朱印だよ」と教えてくれました。

祖父母は歴史と旅行が趣味で、日本全国の歴史に縁のある場所をふたりで車で巡っていました。
御朱印はその旅の中で少しずつ集めたものだと。

小学生ながらに、私も自分の棺に入れてもらおうと、それから御朱印を集めるようになりました。

小さな頃は、それこそスタンプラリーのような感覚で集めていましたが、
大人になるにつれ、歴史や神社好きも相まって、より御朱印の魅力に惹かれるようになりました。

 

 

御朱印の魅力のひとつに、デザインやアートとしての美しさがあります。

御朱印の構成は、
「奉拝」の文字、「参拝日」、「印章」、
「神社仏閣の名称」または「祀られている神様、仏様の名前」というのが一般的です。

筆文字の迫力や繊細な筆のストローク、墨書と朱のコントラスト、印章のデザイン、書き手の癖、
神社やお寺の歴史や個性、参拝する時期によって異なる風合いなど、
同じ構成でもひとつひとつ違う、一期一会、唯一無二のデザイン。

とても魅力的です。

 

 

御朱印は、参拝した証にいただく書ですが、ひとつひとつが、お守りやお札と同じようなものなので、
朱印所の書き手の方も、とても真剣に書いてくださいます。

(余談ですが、大学生の頃、巫女バイトをしていて、御朱印を書くとき印章を少しでも欠けさせてしまうと、
宮司の奥様にとんでもなく怒られました。。。少しの失敗も許されないものなのです。。。)

 

今まで集めた御朱印は、参拝の証というだけではなく、そのときの気持ちや旅の思い出も詰まった宝物です。

私も、いつか棺桶に御朱印と入るその日まで、宝物のようなデザインを生み出していきたいです。

では!

Now Loading