クリエイターズコラム
心の働きを知る

文化や芸術、言語能力、思考能力など様々な能力を持ち、知的生命体と呼ばれる人類ですが、心の働きはとても単純な生物です。そんな単純な心理を知ることで、流行っているものがなぜ流行っているのか、なぜこの人はみんなに好かれているのかなどがなんとなく分かってきます。

皆さんは「限定」と書かれているだけでついつい買ってしまったり、「絶対に見ないでください!」という動画を再生してしまったりした経験はありますでしょうか。これは「スノップ効果」や「カリギュラ効果」と呼ばれる人間の行動心理学を利用したマーケティングの一種です。日常生活で目にしているパッケージや広告には人の心の働きを利用したテクニックが隠れていることが多々あります。生きていく中で培っていく一般的感覚や、人間がもともと持っている感覚を知ることでそれを利用することができるかもしれません。赤色を見ると「情熱」や「怒り」という印象を受けるなど、人が無意識的に感じていることを知識として知ることで、売れる商品やバズる商品を生み出せる可能性が上がります。

ビジネスシーンや日常会話の中でも人の心理を利用してコミュニケーションをとることができます。有名どころでいうと相手の動きや言動をそのまま真似をする「ミラーリング」をすると相手に親近感を抱かせることができるそうです。また、会話の前に相手の名前を呼ぶだけでその人の好感度が上がるだとか。確かに一回しか会ったことがなかった人や会って日が浅い人に名前を覚えてもらえているだけで嬉しいですよね。なので、相手の名前を呼びながら相手の真似をしておけば好感度爆上がり間違いなしかもしれません…。また、「リーセンシー効果」といって、人は最後に見たものが一番印象に残るという心理があるそうです。商談やデートでうまく会話ができなかったとしても、最後の別れ際に元気よく挨拶をしたり、盛り上がる話題を持ってくれば、その会はすごく良かったものとして相手が記憶してくれます。終わり良ければすべて良しということですね。

デザインをするときも人間の基本的な心の働きを知ることで、心理テクニックを用いたり、逆に人の心理とは違うことをしたりして違和感を出すなど、アイデアの幅が広がると思います。単純だけど効果が高いものがまだまだあります。あまり知られたくはないのですが、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。

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