クリエイターズコラム
デザインとサウナ
最近どう?ととのってる? どうもデザイナー兼サウナーの大沼です。 皆さんはサウナに行ったことがありますか? 昨今、空前のサウナブームが到来している日本。 特に東京は、新しいコンセプトのサウナ施設や昔ながらの銭湯サウナ、プライベートサウナなど、 多種多様なサウナが軒を連ねる、まさにサウナ激戦区。 コロナ禍を経て、気がつけば私もサウナ沼にどっぷりとハマッておりました。 まだ行けていない未踏のサウナがまだまだありますが、都内20ヶ所以上のサウナを巡ってきた私が感じた、グラフィックデザインとサウナの共通点について少しお話しますね。 レイアウト グラフィックデザインにおいて、伝えるべき情報を優先順位を決めて、伝えやすいレイアウトにすることがとても重要です。 これはサウナで言うところの、サウナ室→水風呂→外気浴の導線設計によく似ているなと思います。 サウナの最終目標「ととのう」の状態になるには、この導線が短く移動しやすいレイアウトになっている必要があります。 ここで、「ととのう」の正体とは一体何かについて、お伝えしておきます。 『サウナと水風呂の温冷刺激によって脳内で分泌されるのが、「β-エンドルフィン」「オキシトシン」「セロトニン」の3つの物質。「β-エンドルフィン」は、モルヒネと同じような作用をする物質で、鎮痛効果や気分の高揚・幸福感が得られる“脳内麻薬”です。「オキシトシン」はストレス緩和、「セロトニン」はうつ症状の改善・精神安定の効果があるそうです。これらの物質が「ととのう」の素だったのですね。』 引用元:わたしが目覚める温度 マガジン ど より  https://dododododo.jp/328/ 私が最初にととのった時は、体がふわっと軽くなっていき、まるで宙に浮いているような感覚に衝撃を受けました。 トンマナ トンマナとは「トーン&マナー」の略称で、デザインやスタイルに一貫性を持たせるルールのことです。 一貫性・統一性の観点では、サウナ室の室温と水風呂の水温のバランスがとれていることが重要です。 熱いサウナに入っても、水風呂が冷えていないと、十分に体を冷やせないため上質なととのいには至りません。 ちなみに、私は95℃超えの熱いサウナと12℃のかなり冷たい水風呂の組み合わせが、黄金比だと思っておりますが、好みの温度には個人差があるので、自分だけの黄金比を探すのもサウナの醍醐味のひとつなのではないかなと思います。 細部へのこだわり デザインは細部に宿ると言われておりますが、一つ一つの細部にこだわり抜くことで、全体としての完成度がグッと高まります。サウナも同様、人肌が触れる面と目に見える場所の行き渡った清掃、空間の余白、雑音など、よりデリケートになる空間故に、細部へのこだわりがとても重要です。 サウナを運営されているスタッフの方々の見えない配慮には本当に感謝しております! いつもありがとうございます!   どうでしょうか。 グラフィックデザインとサウナは似ても似つかないものの、根本的な概念の部分に共通点があると思いませんか? 私はこれからもサウナーでありながら、誰かを極上のととのいに導けるようなデザイナーとしても日々精進していきたい所存でございます。 少しでもサウナに興味を持っていただけましたら、勇気を出して行ってみてくださいね。(水分補給は忘れずに!) 書いていたらサウナに行きたくなってきました。 今日はこのくらいにしておきます。では。...
HARMONY of DESIGN
  僕は、波に乗っている。40年以上、乗りまくっている。そして、今が一番熱い。 なぜなら僕は、昨年の全日本サーフィン選手権で10度目の優勝を達成し、 今年10月18日から開催されるISA世界マスターズサーフィン選手権に50歳代の日本代表選手として、 まもなく中米のエルサルバドルへ向けて出発するからだ。 大会結果は下記リンクからご覧いただくとして、このコラムではサーフボードのデザインについてお話ししていきます。 https://isasurf.org/event/2024-isa-world-masters-surfing-championship/     サーフィンの魅力とスタイル サーフィンとは、自然との調和です。波と一体化して、そのエネルギーを体感するスポーツです。 これがまた、かなり難しい。だから面白い。 サーフィンの魅力は、重力からの解放です。 海という偉大なる自然と向き合い、波の水面を滑走する時の天を舞うような解放感と爽快感は格別です。 100年あまり前からサーフィンは、ライフスタイル、カルチャーやファッション的存在として人々を魅了してきました。 世界中の良い波を求めて旅をするアドベンチャーサーファーや社会生活から離脱して波中心の生活をするソウルサーファーなどです。 1960年代からは競技サーフィンとして世界チャンピオンを決定するワールドツアーも始まりました。 また近年は地球上で最大の波に挑戦する(現在のギネス世界記録は26.21m)ビッグウェーブ系も盛り上がりを見せており、様々なスタイルで発展を遂げています。 特筆すべきは、2020年東京オリンピックから正式種目に認定され、サーフィンはメジャースポーツの仲間入りを果たしました。 今年タヒチで開催されたパリオリンピックに続き、2028年ロサンゼルスオリンピック、その次の2032年ブリスベンオリンピックへとつながっていきます。     最高のサーフボードを求めて 波と自分をつなぐ接点、それがサーフボードです。 最高のボードが欲しい、マジックボードを手に入れたい。サーファー誰もが願うことです。 昔からサーフボードは、芸術作品の彫刻のごとく削り出すシェイパーの職人技として作られてきました。 曲線のみで構成された機能美と造形美。そこには無限の宇宙が広がる、究極のクリエイションです。 サーフボードは、有機的で実に美しく、1日中眺めていても飽きない。 近年はサーフィン技術の進化とともに、より高次元なサーフボードデザインの追求が続いています。 コンピュータ3Dソフトでボードデザインをデータ化してシェイピングマシンで削り出すことが主流になってきました。     気付いた極意 僕は、世界のトップシェイパーのボードを数多く購入しテストライドを重ねボードデザインの研究をしてきました。 重力、浮力、揚力、反発力、遠心力、流体力学などの法則、理論をもとに、動く水の斜面をより早く滑り、回転性や安定性を生み出すカタチを追い求めます。 0.1mm単位で数値を模索する中で、重要なことに気付いたのです。 1箇所の数値は同じでも、隣を小さくすると広く感じる。また数値を大きくしても、隣がさらに大きいと狭く感じる。 つまり1箇所の数値そのものには、あまり意味がなく、周りとのつながりによって初めてその価値や効果が発揮されるのです。 部分にこだわらず、目線を引いて全体の流れを見ることが重要で、全ての数値の関係性がバランス良く見事に整った時にマジックボードが完成するのです。     「調和」が価値を生む ん、待てよ、世の中のすべてのことは、調和によって成り立っているのかもしれない。 最高に美味しいレシピ、美しい絵画、心揺さぶるメロディ。すべては単純な要素の調和から生み出されている。 人間関係もそう。周りの人たちの支えや刺激のおかげで自分が活かされている。 わたしたちヘルメスは、クライアントの企業価値と商品の魅力を最大化するためにパッケージデザインやグラフィックデザインの創造に日々励んでいる。 AIのアウトプットでは、調和は成し得ない。 わたしたちは、ひらめきと美的感性と表現力によって傑作をデザインする。 ありのままでいい。自分らしくていい。その個性を活かす絶妙な調和が価値を生む。 創造を突き詰めると、いろいろなことが見えてくる。 サーフィンも、人生も、奥深い。  ...
デザインと楽しむ音楽
三度の飯より音楽が好きなデザイナー松本です! デザインをするエネルギーを、ライブやフェスで蓄えております。 突然ですが、みなさんが最後に買ったCDはいつでしょうか? ここ数年Apple MusicやSpotifyなどサブスクが主流となっており、 人によってはもう何年も買っていないということもあると思います。 僅か1,000円ほどで世界中の音楽にアクセスできる圧倒的なコスパ。 プレイリストも作れ、おすすめの曲も紹介してくれる圧倒的な利便性。 その反面CDは1枚¥2,000~¥3,000と、サブスクに比べハードルがかなり高く感じます。 ですが良さもあります。 音質の良さであったり、音が空間で楽しめること、またコレクションとして集める楽しさなど色々ありますが、 中でも一番魅力を感じるのは“デザイン”という部分です。 音楽性やコンセプトをビジュアル化したアートワークや歌詞カードのデザインは、 見ているだけでワクワクし、そしてより楽曲の中に飛び込むことができます。 今回は私の持っているお気に入りのデザインを、 紙ジャケットCDに絞って2点ご紹介させていただきます! 通常のプラスチックケースとは異なり紙質や形状などが自由なので、 非常にデザイン性が高いからです。 THE 1975 / Notes On A Conditional Form UKのバンドTHE 1975による4作目。 特徴はアルバムタイトルのロゴと文字のみで構成されたシンプル・イズ・ベストなデザイン。 非常にミニマルで洗練されたスタイリッシュな世界観です。 また外装やミニポスターにはクラフト紙が使われ、上質な印象を与えてくれます。 Coldplay / Everyday Life 東京ドームでのライブ(最高でした!)も記憶に新しい UKのバンドColdplayによる8作目。 “1日”をテーマに「サンライズ」「サンセット」の視点で描かれたコンセプトアルバム。 形状はそれを表現するブックレットタイプで、 「サンライズ」「サンセット」よって世界観がガラッと変わるデザイン。 非常にストーリー性を感じます。 金箔をポイントで使用した豪華なブックレットです。 最近ではレコードが人気だったりと、 アナログ文化が密かに盛り上がりを見せております。 本コラムを通して少しでも、“デザインと楽しむ音楽”に 興味を持っていただけたら幸いです。...
自転車とデザイン
はじめまして、自転車好きの佐藤です。 家に自転車が3台あります(全て自分用で)。 自転車の何がデザインと関係しているの?と思いますよね。 自転車に乗るというより、組むことがデザインと似ているなと思い、今回このコラムを書いています。 僕が自転車にハマったきっかけはピストバイクという車種で、競輪で使われている自転車です。 15年以上前にピストバイクのブームが始まり、その頃から自転車にハマりました。 中でも当時サンフランシスコの自転車チームMASHの動画を見て、カッコいい、自分も乗りたいと思ったのがキッカケです。 ピストバイクは写真のようなシンプルな構造の自転車です。 そして何でそんなにハマったのかというと、全てのパーツを自分で選ぶのが面白く、 パーツを交換して乗るのが醍醐味でした。 一般的に自転車は完成車で売られていますが、 僕は自転車にハマってから、全てのパーツを自分で選ぶようになり、 新しく組む時もフレームを選んで、ホイールを選んでなど、細かくパーツを選ぶ時間が楽しくて最高でした。 新しく組む時はイラストレーターでイメージを作っていました。 これがデザインとの関係ではないですよ。 自転車って一言で言えばただの乗り物ですが、 自転車を見ると、なんとなく乗っている人の雰囲気が見えるというか、 自転車自体に雰囲気があるんですよね。 街中で良い自転車が停めてあると、どんな人が乗っているんだろうと気になっちゃいます。 そして、街中で良い自転車を見た時に惹きつけられる感覚が、デザインを見た時の感覚と似ているんですよね。 一つ一つパーツにこだわって組んでいる自転車はデザインされているなと思い、 乗っている人もセルフブランディングがされていると思うんです。 デザインも同じで、一つ一つ組み上げて、こだわりが詰まったデザインって やっぱり人を惹きつけますし、ブランディングがしっかりされているんですよね。 自転車でも、見えない部分の小さなパーツにもこだわっていると 心地いいですし、内側から醸し出る良さを感じます。 色使いとか、パーツのバランスが絶妙だとイケてる自転車だなと思いますし、 逆に良いパーツを使っているのに、バランスが微妙だとあまり魅力的に感じないんですよね。 それってやっぱりデザインと一緒だな〜って思います。 良いと思える自転車はバランスが良いです。 良いと思えるデザインもバランス(レイアウト)が良いんです。 細かいところまで拘るからバランスが良いと思えるんです。 独特なパーツチョイスで組んでいても、バランスがいいと良い自転車だなと思いますし、 独特なデザインだなと思っても細部のバランスがいいと、良いデザインだなって感じるものです。 そして、バランスを取るには主軸が必要ですよね。 自転車で言うならフレーム、 デザインで言うならコンセプトですね。 やっぱり良いと思えるフレームじゃないと良い自転車は組めないし、 良いコンセプトが築けていないと良いデザインもできないと思います。 そう言う所が自転車とデザインは似ているのかなと。 書いていたら新しく自転車を組みたくなってきたので、 これくらいにしておきます。では。...
パッケージデザイン×生成AIの可能性
株式会社ヘルメスでアートディレクターをしている千野根(ちのね)と申します。 初対面の方には、「珍しい苗字ですね」と、必ず関心を持っていただけます。 調べたところ、苗字のルーツは栃木のようでして、栃木の中でも珍しい苗字になるようです。 直接出会ったことは一度もないレアな苗字ですので、同姓の方はもれなく親戚ではないかと勘繰ってしまいます。 さて本題です。この業界で働き続けて早20年以上経ちますが、デザインの現場における技術の進化は、 ここ数年凄まじいものがあると考えています。 今私が注目しているのは、生成AIです。AIは今後さらに、もの凄いスピードで進化するはずですが、 パッケージデザインの現場で、生成AIは活用できるのか? 生成AIのサービスでよく聞くところですと、 ・Adobe Firefly ・DALL·E 3 ・MidJourney このあたりかと思います。 「Adobe Firefly」は、Photoshop2024に実装された目玉機能です。 「DALL·E 3」は、ChatGPTの有料版でも利用できるようになりました。 シュルレアリスムの巨匠の名にちなんでいるためか、生成される画像のタッチが、どことなく絵画的な印象です。 画像を生成するには、プロンプトと呼ばれる「こんなイメージでお願い!」という詳細を入力する必要があるのですが、 日本語に対応しており、あれこれ好き勝手にオーダーしても、嫌味一つ言わずにせっせと画像を生成してくれます。 「MidJourney」はプロンプトを英語で入力する必要があり、私にはちょっとハードルが高い印象です。 ChatGPTで画像生成する際、私のオーダーはこんな感じ(あくまで例です)。 「カジュアルなおせんべいの詰め合わせ シズル感のあるイメージ」 ↓ 「子供っぽいので大人が食べるおせんべいで、50代でも買えそうな感じで。おせんべいなので洋菓子じゃなくて和菓に」 ↓ 「デコラティブすぎるのでもっとシンプルに、そして和のイメージで」 ↓ 「今度はシックで重厚すぎるから、もっと軽やかな印象に」 ↓ 「ちょっと近づいた。配色をネイビー、ゴールド、グレーの3色基調にしてみてほしい」 ↓ 「うん、いい感じ!」 そもそも私のオーダーが荒っぽいのでは?というご指摘は謙虚に受け止めつつ、 チャット感覚でオーダーを出し続けて、少しずつ自分のイメージに近づけていくプロセスが面白いです。 近づくどころか、思いもよらない方向に離れていくこともあるので、「なんでそうなる?」と笑ってしまうこともあります。 結論として、プロの現場で活用できるクオリティで画像生成することは難しいものの、 イメージの整理や、アイデアの壁打ちには活用できると考えています。 今後AIの進化がさらに進み、ビックデータを元に高品質なパッケージデザインを瞬時に生成できるようになったら、 パッケージデザイナーの仕事はなくなってしまうのでしょうか? 個人的な見解としては、それはそうそうないと考えています。 ある程度のものや、既視感のあるパッケージデザインは、AIでも生み出せるかもしれません。 しかし、クリエイティブには人の心を揺るがすようなエモーショナルな感覚が必要で、 それは、その時代を生きるデザイナーにのみ、表現できるものであると信じています。 生成AIを優秀なクリエイティブ・ツールとして活用しながら、その一方でAIや数値では表現できないような、 心に刺さるクリエイティブをお客様に提供していきたい、そう強く考える今日この頃です。...
カブトムシとクワガタとデザイン
ひょんなことから、カブトムシとクワガタ育成がマイブームである。 みなさんは最強王図鑑 ~The Ultimate Battles~というコンテンツをご存知だろうか? 恐竜から動物、海の生きもの、虫など、ありとあらゆる生物がCGで異種格闘技戦を行う番組である。 4歳の息子がこれに比較的長い期間ハマっており、幾度となくみせられ続けている。 聞き慣れない生物の名前の中には、ヘラクレスオオカブトやらコーカサスオオカブトなど、 昔から人気のあった昆虫の名前もちらほら。 そして季節はうだるような夏であり、夏といえば虫取りだ。 私の中でにわかに昆虫熱に火がつき始めた。 私の住むアパートからほど近くの公園に、カナブンの集まるクヌギがあるのだが、 しばしば観察に行っても、カブトムシやクワガタのような“スター”には遭遇できないでいた。 そんな7月のとある暑い夜、妻と息子が虫取りにいくというので、会社帰りにぶらり立ち寄ることに。 そこにはなんとカブトムシがいたのである。しかも二匹。 雌雄一体ずつで、大きさとしては小ぶりなものの、 この都心でカブトムシに出会えたことに感動し、久しぶりに興奮してしまった。 昆虫熱が本格的に始まったのはこの頃からである。 それから一週間、会社帰りには毎晩のようにその木へ通い詰めた。 これは奇跡というしかないが、ほぼ毎日、カブトムシを1〜2匹を毎晩捉えることができたのである。 結果的には雌雄合わせて10匹ほどになった。 採集熱は夏休み中も加速し、8月に実家のある御殿場に帰省した際には毎晩と毎朝、 取り憑かれたかのように採集が日課になっていた。 カブトムシも数匹はいたが、ここで採れたのはほとんどクワガタだった。 これは少し冷涼な気候による生態系の違いかもしれない。 採れたのはコクワガタ、ノコギリクワガタ、ヒラタクワガタといったメジャーどころではあるが、 最終的に、カブトムシ、クワガタすべて足すと20匹以上が集まった。 ほとんどを単独のケースで飼育しているため、いま我が家の玄関は飼育ケースであふれている。 それにしても、昔も今もなぜこれほどまでにカブトムシやクワガタに惹かれるのだろう。 子どもの頃は多くの、特に男子はほとんど通る道だし、大人になった今でも惹かれるのは、懐かしさだけではないはずである。 私の想像だが、それら魅力の一つはそれら昆虫のフォルムが、 他者と戦い、生き残るためだけに進化を遂げた、ミニマルで美しいデザインだからだということ、 そしてそのデザインのバリエーションが無数に存在するという多様性にロマンがあるからではないだろうか。 大きな顎(あご)や角、そしてその形状は他者と戦うためのものだけの機能であるし、 平たい身体の種類のものは風に飛ばされないように、木の中に隠れやすいように進化を遂げたという説がある。 そんな洗練された鎧を纏った戦士たちが小さな生態系(飼育ケース)の中で、夜暗くなると蠢き出し、 我先にと突進し餌を貪り喰う。敵とあれば倒しにかかる。その姿は実に本能的であり野性的。 なのにちょこまかと動き回る姿はなんとも愛おしい。このギャップがたまらないのだ。 涼しくなり夏も終わりつつあるが、その美しく愛らしいデザインを眺めながら、 来年に向け繁殖できるかどうかが楽しみな毎日である。...
JEEPとデザイン
ジープと聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは、無骨で堅牢なデザインだろう。 その起源は、アメリカ軍が第二次世界大戦中に求めた軍用車にある。 1941年、ウィリス社が開発したジープは、高い耐久性と機動性を求められ その結果生まれたデザインは「機能美」の極みといわれている。 戦後、ジープは市販車として転用され、アメリカの象徴的な車種となった。 無骨なデザインはオフロード車としての実力を誇示し、多くのファンを魅了し続けている。 ジープのデザインは、シンプルでありながらも力強く まさに「形は機能に従う」を体現している。 初めにジープに触れたのは、実車ではなくラジコンカー。 とりわけタミヤの「ワイルドウィリー」は、幼少期に親に買ってもらって仲間と夢中で遊んだのを覚えている。 ワイルドウィリーは、ジープの特徴的なデザインを忠実に再現しながらも、遊び心を忘れないコミカルなフォルムと走りが魅力だ。 またオフロードでの本格的な走行性能は、子供から大人まで楽しめる要素になっている。 オフロードでの走行性能という点では、ジープのデザインは他に類を見ない。 高い地上高、強固なサスペンション、4WDシステムは、険しい地形でも安定した走行を可能にする。 ジープは「どこへでも行ける」車として、多くの冒険者にとっての理想の車になった。 ジープのデザインの魅力は 無骨さの中に美しさを見出すことができること。 機能性を追求するあまりに無駄を削ぎ落とした結果、純粋な美しさが生まれたといわれている。 これは、他の多くの車が装飾や流行を追求する中で、ジープが一貫して持ち続けている哲学であり変わらない魅力の一つだろう。 自分にとってジープとは単なる車として選択するものではなく、生き方にも近いものがある。 これまでにジープを2度乗り継いできたが今後もジープを選ぶことは変わらないだろう。 どうしょうもなくその存在とデザインに惹かれるのである。...
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